jet〔全日本エレクトーン指導者協会〕本部から、ヤマハ音楽教室の理念を再確認するように、というお達しがありました。
その理念とは、「①すべての人がもっている音楽性を育み、②自ら音楽をつくり、演奏し、楽しむことの出来る能力を育て、③その音楽の歓びを広くわかちあう」、だそう。(①②③は私が付記しました)
なんだか漠然としているので、私なりの解釈をしてみました。
まずは、①「すべての人がもっている音楽性を育」む。
子どもは単一の旋律を周りの人と揃えて歌えます。手遊びの最初に、「せっせっせーの、ヨイヨイヨイッ」と歌いますね。たいていの子は、「せっせっせーの」でお互いの声の高さが違っても、「ヨイヨイヨイッ」で同じ高さに揃えられるそうです。
一方、音楽教育を受けた人は、メロディと伴奏を合わせることができます。複数のリズムをひとつの拍子感の中にまとめ、複数の高さの音を調和させる演奏ができるのです。
単一の旋律から、別々のものが響き合う立体的な音楽へ。①は、そんな風に聴く力を伸ばしましょう、ということでしょう。
そして、「②自ら音楽をつくり、演奏し、楽しむことの出来る能力を育て」る。
能動的ですね。
文章を読む=受動的、書く=能動的で考えます。書くためには、語彙を増やし、漢字を覚え、文法や文の構成を学ばなければなりません。つまり、能動的に楽しむには、その分野の知識を身につける必要があります。その手段としては、既存の名文をたくさん読むことが最適でしょう。
ですから、②は、名曲と名演にたくさん触れさせて、音楽の知識を身につける教育をしましょう、ということでしょう。
それから、「③その音楽の歓びを広くわかちあう」。
先日、Youtubeでショパン国際ピアノコンクールの一部の演奏を視聴しました。
どの演奏も素晴らしかったのですが、特に、優勝者のブルース・シャオユー・リウさんのピアノ協奏曲ホ短調。ピアノとオーケストラがすごく馴染んでいるというか、まさに一体となっていました。指揮者の方もノリノリで、聴衆からは終わるや否やの拍手喝さい、コンサート・マスターも満面の笑み。
こんなふうに音楽の歓びを広くわかちあえたら最高だろうな、と思いました。
個人レッスンの音楽教室で、③を生徒さんが経験するには、連弾やアンサンブルを弾く、会場のリアクションを感じられる発表会などに出演する、くらいですかね。
まずは、生徒さんと私と、二人で音楽の歓びを狭くわかちあえるようにしようと思います。