陽気な短調

イ短調のスケール
イ短調のスケール

 「ミッキーマウスマーチ」を弾いた後、Hちゃんにイ短調スケールを弾いてもらいました。

 「短調=悲しい調べ」を予期していますと、おどけた口笛と愛らしい鉄琴で、らしどれみふぁそら~。エレクトーンのレジストレーション〔音色の設定〕を「ミッキーマウスマーチ」のままで弾いたので、ちっとも悲しくないスケールになってしまいました。

 指くぐりも導音〔調号どおりのスケールから7度の音を半音高くする〕もばっちりだったのに、思わず笑ってしまって。Hちゃん、ごめんね。

 

 「短調=悲しい調べ」ではない曲と言えば、ショスタコーヴィチのピアノ曲集『こどもの音楽帳』の「楽しいおはなし」。この曲は、ホ短調ですが、タイトル通りの楽しい曲です。

 アレグロ〔生き生きとした快活な速さで〕で、音域が高め、スタッカートが多用されています。強弱記号は、フォルテ〔強く〕とピアノ〔弱く〕だけ。くっきりとした強弱で、場面の切り替えが表現されます。

 

 一方、同じく『こどもの音楽帳』の「悲しいおはなし」は、ト長調。長調なのに悲しい曲です。

 アダージョ〔くつろいだ緩やかな速さで〕で、音域は低め、センプレ・レガート〔常にスラーをつけて〕で弾きます。強弱記号はピアノとディミヌエンド〔だんだん弱く〕だけ、という儚さ。

 

 さらに、これらの曲をエレクトーンで弾くなら、レジストレーションでより楽しげに、あるいは、より悲しげに弾くことができそうですね。

 

 習い始めの頃は、「短調=悲しい」、「長調=明るい」と認識しておけば良いですが、基本が身に着いたら、もっといろいろなニュアンスを感じながら弾いてもらいたいです。

 スケールを弾くときに、テンポや音域、アーティキュレーションや強弱の指示を加え、レジストレーションも変えて弾かせたら、表現する楽しさに気づいてもらえるかな、と思いました。

 

 

※ ご参考までに、スケールに関するブログです。

  → 「スケールを聴こう」


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 2021年身辺雑記