絵画的に見る楽譜

「タランテラ」の楽譜を絵画的に見ると
「タランテラ」の楽譜を絵画的に見ると

 生徒のTさんが、ブルグミュラーの「タランテラ」を練習し始めることになりました。テキストに、「『タランテラ』は、8分の6拍子のナポリの舞曲」と書いてあったので、一緒に、You-tubeでどんな踊りか見てみました。

 

 テンポの速い曲に合わせて、夢中で細かいステップを踏んでいる感じ。タンバリンを片手に踊っていて、4小節目の2拍目でシャンっと鳴らします。なんだか楽しそうです。

 基本のステップは、タットのリズムで、片足を前後左右へ踏み出し、そこへもう片方の足を揃える。それをタット、タットと繰り返しています。踊りの途中で、にわかに情熱的なステップに変わったりもします。

 毒グモのタランチュラが這いずり回っているおどろおどろしい曲かと思っていましたが、踊り手の重心も高いし、leggiero〔軽やかに〕な曲なんだなあ、とわかりました。

 

 Tさんが、「楽譜の音符の並びがそのまま、『タランテラ』の踊りの動きみたいですね」とおっしゃっていました。

 この曲の伴奏は、拍頭に三和音でジャン、ジャンと弾くリズム伴奏の部分と、アルペジオで弾く分散和音の部分があります。Tさん流に楽譜を眺めてみると、分散和音のところから情熱的ステップに変わり、足の動きが速くなった印象を受けました。

 楽譜を絵画的に見ると、また、面白い発見がありますね。

 

 テンポの速い曲ですが、You-tubeの踊り手の方々のように、夢中で体を動かして、楽しく演奏できると良いですね。


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 2021年身辺雑記