一筋縄ではいかない子

しっとりした「オーラ・リー」に合わせてラジオ体操を始める生徒もいます
しっとりした「オーラ・リー」に合わせてラジオ体操を始める生徒もいます

 今月の研究会では、一筋縄ではいかない子の指導についてお話が出ました。

 

 M先生のところの幼稚園児の生徒さんは、一度演奏を間違えると、もうその続きを聴かせてくれないそうです。できない姿を先生に見せないようにして、何でも自宅でできるようにして、また翌週のレッスンに来る、という完璧主義者なのだそう。

 S先生のところの5年生の生徒さんは、よくできているからと一段高いレベルのことを要求するとふざけ始めて、なかなか新しいことにチャレンジしようとしないそう。

 

 「練習中の曲から離れてみるのはどう?」と、O先生。つまずいたところを別の曲や聴奏でドリル的に練習したり、簡単な楽譜で初見演奏をしたり、楽器からも離れて、指のトレーニングをしたり、振り付きで歌を歌ったり、などなど、他の先生方からも意見がたくさん出ました。

 

 一方、T先生の教室には、15年間通い続けているダウン症の生徒さんがいらっしゃるそうで、無理に「正しい演奏」の枠にはめずに、気持ち良く弾いてもらうことを心掛けているそう。

 混乱しているときに間違いを指摘するとパニックになるので、その場では流して、調子が良い時に「こうするともっと良くなるって楽譜に書いてあるみたい」と告げると、ご本人も納得してさらに良い演奏になるそう。

 

 ほどよい課題を、タイミングを逃さず、その子に合った伝え方で提示できる。そんな指導者になれるよう、わたしも、生徒さんの様子をよく見極めて、レッスンを展開していこうと思います。


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