1拍の長さと空間の広さ

4分の4拍子のミュゼット
4分の4拍子のミュゼット

4分の2拍子のミュゼット
4分の2拍子のミュゼット

 生徒のTさんが、バッハの「ミュゼット」を聴かせてくれました。アーティキュレーション〔音と音の区切り方やつなげ方〕も強弱も、とても丁寧に演奏できています。ただ、演奏中に、首が1小節に4回上下しているので、2拍子の曲なのに4拍子の8beatに感じられます。

 「2拍子の曲は、1小節に1回down&upするノリで弾けたら良いですね」とアドバイスしたところ、次のレッスンでは、軽快なテンポだけれど慌ただしくない優雅なミュゼットに仕上がっていました。

 同じ曲でも、4拍子の8beatで弾くと、ダンスのステップに注目している感じがする一方、2拍子で弾くと、広いダンスホール全体の光景が目に浮かぶようだな、と思いました。

 

 また、別の日のことです。

 指導法勉強会で、今度のJESフォーラムの最後に歌うアフリカ民謡を初見で歌おう、ということになりました。

 テンポの記載のない一段譜を見ながらみんなで歌い始めたところ、F先生が「こんな速さの曲だよ」と本来のゆったりとしたテンポを教えてくれました。そこで、もう一度歌い始めたところ、目の前の景色がザーッと広がって、広大なサバンナが見える気がしました。

 

 1拍の取り方が短いとズーム・アップ、長いとロング・ショット、というように、音楽で感じられる空間の広さが変わるのだなあ、と感じられる2つの出来事でした。


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