ELB-02を検分

入門モデルのエレクトーンELB-02
入門モデルのエレクトーンELB-02

 ステージア勉強会では、3月のJESフォーラム〔jet千里支部の各種勉強会の一年の成果を発表する場〕で、エレクトーン2台でのデュエットを披露することにしました。しかし、搬入の都合で、2台ともELS-02C〔発表会などで使われる上位モデル。以下「カスタム」〕とは行かず、1台はELB-02〔入門モデル。以下「ベーシック」〕になりました。

 

 jetは指導者が個人で運営している教室なので、指導者もふだん触れるのは自宅にある「カスタム」だけです。でも、生徒さんには、その他のモデルの楽器を購入してもらうこともあります。そこで、これ幸いと「ベーシック」に触れ、その機能について調べてみました。

 

 まず、音色。搭載されているスーパーアーティキュレーションボイス〔弾き方によって息づかいまで感じられる、その楽器らしさを追求した音色の総称。以下「Sボイス」〕の種類が少ないです。なので、「カスタム」では「Sボイス」で表情豊かに弾けていたのに、「ベーシック」では代わりの音色で発音されるため、のっぺりした演奏に感じられる、ということもあるかもしれません。

 それから、鍵盤への触れ方によって強弱が変わるタッチトーン。以前の入門モデルに比べると、良い印象です。でも、「カスタム」とは、精度が違うので、繊細な表現は難しそうです。また、足鍵盤は、タッチトーンが効かないので、ティンパニ・ロールのクレシェンドなどができなくて、盛り上げるところが少し寂しくなりそうです。

 次に、足鍵盤のサイズ。奥行きが短いので、つま先とかかとを交互に使ったウォーキングベースは、やりにくそうです。

 あと、リズムを組んだり、音色を編集したりはできません。
   

 今回の検分では、以上のようなことがわかりました。

 

 確かに、「カスタム」と比べれば、「ベーシック」には劣るところもありますが、音楽性の感じられる演奏になるかどうかは、楽器ではなく、演奏者次第だと思います。

 たとえばギターの音色だったら、ギタリストが楽器をどんなふうに弾いているのかをはっきりと思い浮かべて演奏する。また、自分の弾いている音をしっかり聴き、音に合わせてタッチを微調整する。

 「ベーシック」を購入した生徒さんがいたら、そんなことに気を付けながら、自宅でも表情豊かな演奏を楽しんでもらいたいです。


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