カデンツの習得

8級のカデンツで使うホ短調の和音。1小節に3種類の和音の積み方を入れました。
8級のカデンツで使うホ短調の和音。1小節に3種類の和音の積み方を入れました。

 2018年11月より、ヤマハのグレード試験の内容が変わることになりました。

 指導者一同を慌てさせたのは、8級に出題される調性にホ短調が増えること。1つの調性ごとに8種類のカデンツ〔常套句的なコード進行のパターン×3種類の和音の積み方〔上の楽譜を参照のこと〕を習得しなければならないのですから、受験者は大変です。

 

 指導法勉強会でも、カデンツを覚え、忘れさせない方法が話し合われました。

「いちばん最初に習うドミソ、シファソはみんなできるのにね」とか、「曲はよく弾ける子も、カデンツはすぐ忘れる」などの声が上がる中、S先生が「基本的な和音だけでも、自分の好きなジャニーズの曲に自力で伴奏をつけられた!と喜んでいた子がいましたよ」と知らせてくれました。

 

 鍵盤楽器を習い始めればすぐに、ソードーのベースラインから伴奏を弾くようになります。メロディという一つの流れだけに耳を傾けていた子が、メロディを支えるベースや内声のハーモニーという複数の流れを同時に感じられるようになり、やがては自力で伴奏もつけられるようになる。それは、とても豊かな音楽体験だと思います。

 カデンツの習得は、漢字の習得並みに時間をかけ、反復しなければなりませんが、S先生の生徒さんのような喜ばしい瞬間が待っていることを励みに、ぜひ、いろんなカデンツに親しんでもらいたいと思います。

 

 

※ ご参考までに、カデンツに関するブログです。

  不協和音の気持ち


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