「スズメに逃げられない」弾き方

スズメに逃げられたフレーズ
スズメに逃げられたフレーズ

 ピアノではもちろんのこと、エレクトーンでも、打鍵のタッチを変えることで強弱をつけます。「強弱」と言うので、強く弾けば大きな音、弱く弾けば小さな音になるとばかり思いがちですが、実は、「強い打鍵=速い打鍵」、「弱い打鍵=ゆっくりな打鍵」なのです。だから、速いフレーズを弱く弾くのは、とても難しいです。

 

 以前、「エリーゼのために」を弾いていたら、1回目の副主題の32分音符が連続するところで、庭に異変が。強弱記号が「p」なので、軽やかに弾きたいところ、しかも、明るく伸び伸びとした感じのハ長調のところです。なのに、にぎやかに遊んでいたスズメたちがバタバタと逃げ去ってしまいました。

 これではいけない!と、「スズメに逃げられない」を目標に、速いフレーズを弱く弾くための試行錯誤をしました。

 

 先日のことですが、エレクトーンの生徒さんが「f」のフレーズのアクセントの付いた音符を、グーッと押し込むように弾いていました。これだと、強くても速くないので、アクセントの感じが出ません。そこで、「強い打鍵=速い打鍵」だというお話をして、二人でどうしたら速い打鍵になるかいろいろ試してみました。

 

 彼女も「エリーゼのために」を弾きたいと言っていたので、いつか練習を始めたら、「スズメに逃げられない」32分音符の弾き方を一緒に探していきたいです。

 

 

※ ご参考までに、ピアノ曲に関するブログです。

  → 「絵画的に見る楽譜」(ブルグミュラー「タランテラ」)

  → 「シャープとフラットの話」(カバレフスキー「ワルツのように」)

  → 「大切なパートは?」(パーセル「シャコンヌ」)

  → 「歌うように弾く」(マルティーニ「愛のよろこび」)

  → 「サンタクロースのお爺さん?」(シューマン)

  → 「ガボットにチャレンジ」(ヘンデル)

  → 「セキレイの『ボン』改め『トン』」(ブルグミュラー)

  → 「表現としてのテンポ」(ブルグミュラー「やさしい花」)

  → 「それぞれの表現」(グリーグ「夜警の歌」)

  → 「強拍 vs アクセント」(チャイコフスキー『子どものアルバム』より「ワルツ」)


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